出発

我輩は馬である。

名前はまだ無い。





すいません。嘘です。名前あります。アグロです。


今日旅に出ることになりました。
私の飼い主はワンダという青年です。


どうやら禁断の土地に行くみたいです。
あそこは、長老たちから絶対に行くなといわれている場所のはずです。
必死に、鬣を振ってだめだとアピールしたんですけど、伝わらないようです。
長年の付き合いなんだからわかって欲しいものです。


事情はよく知らないんですが、どうも女の子が魂が抜けちゃったそうです。
ワンダさん意地でも生き返らせたいみたいです。
禁断の土地はそういった不思議な力があるようなんですが
ほんとうでしょうかね。


その少女は、ワンダさんの恋人だったのでしょうか?
ワンダさん、昔はただ、やんちゃな子供だったのに・・・
思いやりの有る青年にそだったみたいでちょっとうれしいです。
しょうがないので、私も一肌脱ぐことにしました(肌というか皮ですが)


でも、つれていくだけですよ。手伝いませんよ。



実は以前から禁断の土地にはちょっと入ってみたかったんです。
いい風が吹くんですよねあの方向から。


ワンダさんには悪いけど、ちょっとだけ楽しみです。