ポトフの町が帝国の支配におかれどれぐらいたったであろう。
町の若者は、セミテの滝で無理やり働かされていた。
一念発起をと考えていたが、娘を人質に取られては何も出来なかったのだ。
そんななか、4人の旅人が尋ねてきた。
3人はまだ年端も行かない若者で、一人は変な覆面をかぶった白魔導師だった。
若者の方は、いかにも最近の若者という感じで、あまり好かなんだ。


一番でかいやつが「ノバラ!ノバラ!」と獣のように喚きだした。どうやら反乱軍らしい。
町の状況から相手をする余裕なんてなかったのだが、
白魔導師が、いまどき珍しく紳士的だったので、話だけでもと聞いてやったら
彼らはミスリルを探しているとのこと。
いまいましい。
そのミスリルに我らがどれほど苦しめられていることか。
こいつらは知らんのだな。


町の近況を教え、助けてくれたらミスリルのありかを教えてやると条件を出してみた。
実は裏の山でもミスリルは取れるんだが、それは言わん。
苦労は買ってでもしろ。そしてこの町を救え。


ヒルダ嬢の使いだからといっても、彼らの挙動から信用は出来なかったので、こっそり付けてみた。
町を出てすぐに、白魔導師を若者3人がたこ殴りしておった。
こんなやつらに頼んだワシが馬鹿だった。